2023年、大谷翔平選手がドジャースに移籍を決めた際に、その巨額の契約金(10年総額7億ドル)が大きなニュースになりました。
その大谷選手の例をはじめ、アメリカのプロスポーツは、日本とは桁違いの年俸がもらえる世界です。
では、NBAをはじめとするアメリカのプロスポーツで頂点に立つチームは、
そんな高額年俸のスター選手をたくさん集めたチームになると思いますか?
実は…違います!
なぜなら、そもそもスター選手ばかりを集めたチームが誕生しにくいからです!
誕生しにくい理由、それが「サラリーキャップ」という制度。
ではそのサラリーキャップとは一体どんな制度なのでしょうか?
今回の記事では以下の内容を紹介します!
NBAをより面白くしている制度ですので、ぜひご覧ください!
・サラリーキャップとは?
・NBAのサラリーキャップの仕組み
・2024-2025シーズンのサラリーキャップの上限額は?
・2024年のチーム別総サラリーのランキングは?
いろんなスポーツで導入されているサラリーキャップ!
サラリーキャップとは…
つまり、「給料の最大値」という意味で、
「各チームが選手に支払う年俸総額の制限値」を指します。
簡単に言えば、
チーム全員の年俸の合計がこの金額を超えたらダメですよ!
という制度です。
サラリーキャップの目的
目的の一つが、
「チーム間の戦力格差を抑えるため」です。
この制度が存在することで、お金持ちのチームがスター選手ばかりを高額年俸で集め、
“チームの力=お金の力”
となることを防ぐことができます。
結果、スター選手はいろんなチームに分散することになるので、各チームの強さは同じくらいになり、戦力格差を抑えることができます。
そうなると、リーグ全体の競争力が維持され、シーズン通じて常に面白い試合が観れるということになります。
アメリカのプロスポーツでは当たり前の制度
アメリカの四大プロスポーツ(野球・バスケ・アイスホッケー・アメフト)では、全てにこのサラリーキャップ制度が導入されています!
だから、日本のプロ野球でいう巨人やソフトバンクのようなチームは、アメリカのプロスポーツでは生まれにくいわけです!
どのチームが勝つかわからない試合って
見る側としては面白いよね!
実際に、アメフトのNFLでは、3連覇を達成したチームは史上1つもないよ。
連覇ですら史上4チームしか成し遂げていないんだ!
NBAもそんな感じなの?
NFLほどじゃないけど3連覇したチームは過去に3つしかないよ。
ちなみに、この10年間で連覇はウォリアーズの1回だけ!
NBAのサラリーキャップの仕組み
NBAのサラリーキャップ制度について詳しく解説します!
NBAのサラリーキャップの歴史
NBAでは1984年にサラリーキャップが導入されました。
導入された元々の要因は、選手の年俸の高額化に伴う、チームの財政難でした。
なお、導入当初のサラリーキャップは360万ドルでした。
NBAのサラリーキャップの種類
一般的にサラリーキャップには、以下の2種類があります。
・ハードキャップ=絶対に上限額を超えてはならない
・ソフトキャップ=追加料金を払えば上限額を超えてもよい
例えば、NFLではハードキャップが採用されています。
そのため、各チームの力がかなり均衡になっています。
では、NBAではどうでしょうか?
実は、NBAではソフトキャップを採用しています。
つまり、追加料金を払えば上限額を超えてもいいということです。
意外に思われた人もいるかもしれませんが、これにはさまざまな理由があります。
例えば…
「入団からずっとそのチームでプレーしてきた選手がスターになり、
年俸が上昇したから手放さないといけなくなった」
って聞いたらどう思う?
それは育ててきた球団がかわいそうだし、
応援してきたファンもすごくガッカリするよね
そういうこと!
そういう事態は避けたいってリーグは考えているんだよ
この他にもさまざまな理由があり、
NBAでは厳格なハードキャップではなく、ソフトキャップが採用されているのです!
サラリーキャップの金額の決め方
NBAのサラリーキャップは、毎年、チームやリーグ全体の収入(=BRI)に基づいて決められます。
このBRIの約50%をチーム数(30)で割った数字がサラリーキャップとなります。
近年のNBAは放映権収入が上昇していることもあり、このBRIが年々上昇。
そのため、サラリーキャップも年々上昇しています!
今シーズンのサラリーキャップと近年の推移
では、実際の金額を紹介します!
今シーズン(2024-25)のサラリーキャップ
「1億4058万8000ドル(約210億円)」となっています!
この金額はNBA史上最高額です。
ちなみに日本のプロスポーツだと、プロ野球のソフトバンクが最大の年俸額で約60億円です。
やっぱりアメリカはすごいね!
規模が文字通り桁違いだね!
近年のサラリーキャップの推移
直近5シーズンの金額です!
2023-24:1億3602万ドル
2022-23:1億2200万ドル
2021-22:1億1241万ドル
2020-21:1億914万ドル(新型コロナの影響で据え置き)
2019-20:1億914万ドル
毎年大体1000万ドル(日本円で約14億円)くらいは上がっていってることがわかります。
なぜサラリーキャップが増加し続けているの?
10年前、2012-13シーズンのサラリーキャップは、5804万ドルでした。
つまり、サラリーキャップは10年で倍以上に増えています。
なぜなら、
世界規模でNBA人気が高まり、テレビの放映権収入などリーグ全体の収入が増えているからです。
日本の八村塁や渡邊雄太などの登場で日本人のファン、視聴者も増えました!
そういったことも全てリーグの収入に影響するので、今後もサラリーキャップは上昇していくと見られています。
今シーズン(2024-25)のチーム別総サラリーランキング!
今シーズンのチーム別の総サラリー額をランキングにしてみました!
順位 | チーム名 | 総サラリー額 |
---|---|---|
1位 | フェニックス・サンズ | 2億2624万ドル |
2位 | ミネソタ・ティンバーウルブズ | 2億700万ドル |
3位 | ボストン・セルティックス | 1億9902万ドル |
4位 | ミルウォーキー・バックス | 1億9733万ドル |
5位 | ニューヨーク・ニックス | 1億9104万ドル |
6位 | ロサンゼルス・レイカーズ | 1億8992万ドル |
7位 | マイアミ・ヒート | 1億8853万ドル |
8位 | デンバー・ナゲッツ | 1億8586万ドル |
9位 | フィラデルフィア・76ers | 1億8567万ドル |
10位 | ダラス・マーベリックス | 1億8035万ドル |
11位 | ニューオーリンズ・ペリカンズ | 1億7986万ドル |
12位 | ゴールデンステート・ウォリアーズ | 1億7841万ドル |
13位 | ロサンゼルス・クリッパーズ | 1億7554万ドル |
14位 | クリーヴランド・キャヴァリアーズ | 1億7545万ドル |
15位 | インディアナ・ペイサーズ | 1億7326万ドル |
16位 | サクラメント・キングス | 1億7158万ドル |
17位 | アトランタ・ホークス | 1億7126万ドル |
18位 | メンフィス・グリズリーズ | 1億7070万ドル |
19位 | ブルックリン・ネッツ | 1億7044万ドル |
20位 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 1億6882万ドル |
21位 | シカゴ・ブルズ | 1億6834万ドル |
22位 | トロント・ラプターズ | 1億6489万ドル |
23位 | シャーロット・ホーネッツ | 1億6456万ドル |
24位 | オクラホマシティ・サンダー | 1億6217万ドル |
25位 | ヒューストン・ロケッツ | 1億6202万ドル |
26位 | ワシントン・ウィザーズ | 1億6065万ドル |
27位 | サンアントニオ・スパーズ | 1億5163万ドル |
28位 | オーランド・マジック | 1億5151万ドル |
29位 | ユタ・ジャズ | 1億4685万ドル |
30位 | デトロイト・ピストンズ | 1億2923万ドル |
サラリーキャップを守ってるのって…
今季は最下位のピストンズだけだね…。
サラリーキャップには抜け道(例外条項)がある
先ほどのランキングを見てもらって分かる通り、30チーム中サラリーキャップを超えていないのはわずか1チームだけで、29チームは上限額を超えてしまっています。
つまり、これらのチームは追加料金を払うことでそれを認めてもらっているわけです。
それらについては、こちらの記事で詳しく解説しています!
まとめ
今回はNBAのサラリーキャップについて見てきました。
この制度は、NBA全体のお金に関して最も根幹をなす部分となっています。
また、NBAのサラリーキャップは、ソフトキャップが採用されており、
追加料金さえ払えばサラリーキャップを超えてもよいという緩めの制限になっています。
しかし、この制度があることで「お金があるからとにかく強い選手を獲りまくる」という状況は発生しにくくなり、勢力の均衡化につながっています。
この活躍している選手は年俸いくらもらっているんだろう?
このチームは強いけど、合計どれくらいの年俸を払っているんだろう?
そんなことを知っていて観ると、より一層NBAは面白くなります!
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