先日、大谷翔平選手の巨額の年俸・契約金が大きなニュースになりました。
その大谷選手の例をはじめ、アメリカのプロスポーツは、日本とは桁違いの年俸がもらえる世界です。
では、NBAをはじめとするアメリカのプロスポーツで頂点に立つチームは、
そんな高額年俸のスター選手をたくさん集めたチームになると思いますか?
実は…違います!
なぜなら、スター選手ばかりを集めたチームが誕生しにくいからです!
誕生しにくい理由、それがサラリーキャップという制度です。
NBAをより面白くしている制度ですので、ぜひ読んでみてください!
今回の記事内容☟
・いろんなスポーツで導入されているサラリーキャップ!
・NBAのサラリーキャップの仕組み
・サラリーキャップの上限額と近年の推移
・今年のサラリーキャップのランキング!
・サラリーキャップには抜け道(例外条項)がある!
1.いろんなスポーツで導入されているサラリーキャップ!
サラリーキャップとは…
つまり、給料の最大値という意味で、各プロスポーツチームが所属する選手に支払う年俸総額、というものです。
簡単に言えば、
チーム全員の年俸の合計がこの金額を超えたらダメですよ!
という制度です。
サラリーキャップの目的
目的の一つが、
「各チームの強さを同じくらいにするため」です。
この制度が存在することで、お金持ちのチームがスター選手ばかりを高額年俸で集め、
“チームの力=お金の力”
となることを防ぐことができます。
結果、スター選手はいろんなチームに分散することになるので、各チームの強さは同じくらいになるよということです。
アメリカのプロスポーツでは当たり前の制度
アメリカの四大プロスポーツ(野球・バスケ・アイスホッケー・アメフト)では、全てにこのサラリーキャップ制度が導入されています!
だから、日本のプロ野球でいう巨人やソフトバンクのようなチームは、アメリカのプロスポーツでは生まれにくいわけです!
どのチームが勝つかわからない試合って
見る側としては面白いよね!
優勝するチームも予想しづらくて
毎試合白熱するから見ごたえ満載!
2.NBAのサラリーキャップの仕組み
歴史
NBAでは1984年にサラリーキャップが導入されました。
導入された元々の要因は、選手の年俸の高額化に伴う、チームの財政難でした。
導入当初のサラリーキャップは360万ドルでした。
サラリーキャップの種類
サラリーキャップには、以下の2種類があります。
・ハードキャップ=絶対に上限額を超えてはならない
・ソフトキャップ=追加料金を払えば上限額を超えてもよい
例えば、NFLではハードキャップが採用されています。
そのため、各チームの力がかなり均衡になっています。
では、NBAではどうでしょうか?
実はNBAはソフトキャップを採用しています。
つまり、追加料金を払えば上限額を超えてもいいということです。
意外に思われた人もいるかもしれませんが、これにはさまざまな理由があります。
例えば、
そういった事態を避けたいとリーグは考えているわけです。
そのほかにもさまざまな理由があり、厳格なハードキャップではなく、ソフトキャップが採用されています。
サラリーキャップの額の決め方
チームやリーグ全体の収入(=BRI)に基づいて決められます。
このBRIの約50%をチーム数(30)で割った数字がサラリーキャップとなります。
近年のNBAは放映権収入が上昇していることもあり、このBRIが上昇。
そのため年々サラリーキャップが上昇しています!
3.今シーズンのサラリーキャップと近年の推移
今シーズン(2023-24)のサラリーキャップ
「1億3602万1000ドル(約195億8702万円)」となっています!
ちなみに日本のプロスポーツだとプロ野球のソフトバンクが最大の年俸額で、約60億円です。
やっぱりアメリカはすごいね!
いやー、規模が違いますね!
近年のサラリーキャップの推移
直近5シーズンの金額です!
2023-24:1億3602万ドル
2022-23:1億2200万ドル
2021-22:1億1241万ドル
2020-21:1億914万ドル(新型コロナの影響で据え置き)
2019-20:1億914万ドル
毎年大体1000万ドル(日本円で約14億円)くらいは上がっていってますね。
上昇し続けるサラリーキャップ
10年前、2012-13シーズンのサラリーキャップは、5804万ドルでした。
つまり、サラリーキャップは10年で倍以上に増えています。
なぜなら、世界規模でNBA人気が高まり、テレビの放映権収入などリーグ全体の収入が増えているからです。
日本の八村塁や渡邊雄太などの登場で日本人のファン、視聴者も増えました!
そういったことも全てリーグの収入に影響するので、今後もサラリーキャップは上昇していくと見られています。
4.今シーズン(2023-24)のサラリーキャップのランキング!
今シーズンのサラリーキャップをランキングにしてみました!
順位 | チーム名 | サラリーキャップ |
1位 | ゴールデンステイト・ウォリアーズ | 2億2640万ドル |
2位 | ロサンゼルス・クリッパーズ | 2億206万ドル |
3位 | ミネソタ・ティンバーウルブズ | 1億9690万ドル |
4位 | フェニックス・サンズ | 1億9265万ドル |
5位 | ミルウォーキー・バックス | 1億8964万ドル |
6位 | ボストン・セルティックス | 1億8730万ドル |
7位 | フィラデルフィア・76ers | 1億8695万ドル |
8位 | デンバー・ナゲッツ | 1億8575万ドル |
9位 | ワシントン・ウィザーズ | 1億8551万ドル |
10位 | ロサンゼルス・レイカーズ | 1億8047万ドル |
11位 | マイアミ・ヒート | 1億7962万ドル |
12位 | ニューオーリンズ・ペリカンズ | 1億7479万ドル |
13位 | ダラス・マーヴェリックス | 1億7252万ドル |
14位 | クリーヴランド・キャヴァリアーズ | 1億6821万ドル |
15位 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 1億6745万ドル |
16位 | ブルックリン・ネッツ | 1億6583万ドル |
17位 | シカゴ・ブルズ | 1億6560万ドル |
18位 | メンフィス・グリズリーズ | 1億6124万ドル |
19位 | ニューヨーク・ニックス | 1億5925万ドル |
20位 | トロント・ラプターズ | 1億5818万ドル |
21位 | アトランタ・ホークス | 1億5560万ドル |
22位 | オクラホマシティ・サンダー | 1億5306万ドル |
23位 | シャーロット・ホーネッツ | 1億4754万ドル |
24位 | サクラメント・キングス | 1億4729万ドル |
25位 | ヒューストン・ロケッツ | 1億4325万ドル |
26位 | インディアナ・ペイサーズ | 1億4257万ドル |
27位 | オーランド・マジック | 1億3935万ドル |
28位 | サンアントニオ・スパーズ | 1億3910万ドル |
29位 | ユタ・ジャズ | 1億3597万ドル |
30位 | デトロイト・ピストンズ | 1億3351万ドル |
5.サラリーキャップには抜け道(例外条項)がある!
先ほどのランキングを見てもらって分かる通り、30チーム中サラリーキャップを超えていないのはわずか2チームだけで、28チームは上限額を超えてしまっています。
つまり、これらのチームは追加料金を払うことでそれを認めてもらっているわけです。
それらについては、こちらの記事で解説します!
まとめ
今回はNBAのサラリーキャップについて見てきました。
この制度は、NBA全体のお金に関して最も根幹をなす部分となっています。
また、NBAのサラリーキャップは、ソフトキャップが採用されており、
追加料金さえ払えばサラリーキャップを超えてもよいという緩めの制限になっています。
しかし、この制度があることで、
「お金があるからとにかく強い選手を獲りまくる」
という状況は発生しにくくなり、勢力の均衡化につながっています。
この活躍している選手は年俸いくらもらっているんだろう?
このチームは強いけど、合計どれくらいの年俸を払っているんだろう?
そんなことを知っていて観ると、より一層NBAは面白くなります!
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