NBA選手ってオリンピックに出場できるの?
できるよ!
アメリカはもちろん、アメリカ以外の国でもNBA選手が代表になっているよ
アメリカはずっとNBA選手が出ているの?
実はNBA選手が出場できるようになったのは1992年からなんだ!
1992年のオリンピックといえばスペインで行われたバルセロナオリンピックです。
そのバルセロナオリンピックで誕生したアメリカ代表が、NBA選手を中心とする通称「ドリームチーム」です!
当時は世界中のNBAファンがこのチームの誕生に興奮しました!
以降、アメリカ代表としてNBA選手がたくさん出場するようになり、アメリカ以外の国でもNBAのメンバーが出場することが増えてきました。
そのため、オリンピックのバスケは大会ごとにどんどんレベルアップしています!
今回はそんなオリンピックのバスケについて、
・オリンピックで活躍した歴代のNBA選手は?
・アメリカ代表以外で活躍したNBA選手は?
・パリオリンピックに出場しそうなNBAの選手は?
を紹介します!
NBA選手とオリンピックの歴史
NBA選手がオリンピックに出場するまでの歴史と、
ドリームチームについて解説します!
NBA選手が出場するまでのオリンピック
オリンピックでバスケットボールが採用されたのは1936年。
それ以降アメリカ代表はほぼ全ての大会で金メダルを獲得してきましたが、1988年のソウル五輪はソ連に敗れ、屈辱の銅メダルに終わります。(※ちなみにこの時アメリカとソ連は冷戦中で、それもまたアメリカの悔しさを増加させました)
実はこの1988年まではオリンピックの規定で、出場選手が「アマチュア選手限定」となっていました。
そのためアメリカ代表はNBA選手を呼ぶことができず、結果として大学生主体のチームとなっていたのです。
規定があるので仕方ないことなのですが、バスケが国技のようなアメリカにとって、世界で勝てないことは由々しき事態であり、なんとかならないかと1988年の五輪後に頭を悩ませることとなります。
そんなアメリカに追い風になるのが、
IOC(国際オリンピック委員会)の方針転換です!
オリンピックの規模拡大と収入基盤の充実を狙うIOCが、「オリンピックには世界最高水準の選手が出場すべき」と、従来のアマチュア主義的な方針からプロ選手の参加を認める方向に。
これを受けて、FIBA(国際バスケットボール連盟)も、国際大会へのプロ選手出場を容認。
ついに1992年からNBAの選手がオリンピックに出場できるようになったのです!
1992年バルセロナオリンピックの「ドリームチーム」
ついにNBA選手を招集できるようになったバルセロナオリンピックのアメリカ代表は、絶対に金メダルを奪還できるメンバーを集めてきます。
それが次のメンバーです!
選手名 | チーム | ポジション |
---|---|---|
ジョン・ストックトン | ジャズ | PG |
マジック・ジョンソン | レイカーズ | PG |
マイケル・ジョーダン | ブルズ | SG |
クライド・ドレクスラー | ブレイザーズ | SG |
ラリー・バード | セルティックス | SF |
スコッティ・ピッペン | ブルズ | SF |
クリス・マリン | ウォリアーズ | SF |
クリスチャン・レイトナー | デューク大学 | PF |
カール・マローン | ジャズ | PF |
チャールズ・バークレー | サンズ | PF |
デビッド・ロビンソン | スパーズ | C |
パトリック・ユーイング | ニックス | C |
12人中11人がNBA選手だね!
後にその11人全員がNBA殿堂入りを果たすっていう夢みたいなチームなんだ!
まさにドリームチームだね!
結果として、このドリームチームは予選・本戦とも他を圧倒し金メダルを獲得します。
本戦はなんと全8試合で平均44点差(!)をつけるという圧勝に終わりました!
このバルセロナオリンピックは、アメリカバスケの威信を取り戻しただけでなく、
「やっぱりバスケの世界最高峰はNBA」という認識を世界に広めました。
このバルセロナ五輪前にNBAに集まる外国人は18カ国に過ぎませんでしたが、この五輪後に増加!
現在はなんと世界40の国と地域から集まるグローバルリーグになっています。
オリンピックで活躍したNBA選手たち
NBAに所属し、オリンピックで活躍した選手を紹介します!
アメリカ代表の名選手たち
1992年のドリームチームに始まったNBA選手のオリンピック派遣。
それ以降アメリカ代表はNBA選手を中心に構成され、2008年北京五輪から2021東京五輪まで4連覇を達成しています!
アメリカ代表に選ばれること自体が名選手なのですが、その中でも3人の選手を紹介します!
マイケル・ジョーダン
バスケの”神様”マイケル・ジョーダンは、シカゴ・ブルズで6回のNBA優勝を果たし、NBAファイナルMVPを6回受賞。
また、5回のシーズンMVP、10回の得点王を獲得したレジェンドです。
そんなジョーダンはアメリカ代表としても数々の成功と栄光を収めました。
①1984年ロサンゼルスオリンピック
・金メダル獲得
・ジョーダンは大学生として参加し、チームの得点王(平均17.1得点)として活躍
②1992年バルセロナオリンピック
・金メダル獲得
・「ドリームチーム」の中核として活躍し、平均14.9得点を記録
ジョーダンといえば、ドリームチームの時の印象がかなり強いと思うのですが、
実は本人は、当初そのドリームチームへの参加に後ろ向きでした。
その理由の一つに、「1984年のロサンゼルス五輪で既に金メダルを獲得している」ということがありました。
そんなジョーダンでしたが、ドリームチームの中心となるマジック・ジョンソンらの熱烈な勧誘を受けて、最終的にアメリカ代表を受けることになります。
結果的にそのドリームチームは圧倒的強さで金メダルを獲得。
さらに、世界中のバスケットボール人気を爆発的に高め、NBA選手の国際的な認知度を上げました。
ちなみに、オリンピック金メダル・NCAAチャンピオン(全米大学王者)・NBAチャンピオンの全てを獲得した選手は、歴史上8人しかいません!
ジェイソン・キッド
ジェイソン・キッドは、1994年のNBAドラフトで全体2位でマーベリックスに入団。
その後、ネッツやサンズ、ニックスなど複数のチームでプレーしました。
オールスターに10回選出され、2007年にはマーベリックスでNBAチャンピオンにも輝きました。
現在はHCとしてマーベリックスを指揮し、今季はチームを準優勝にまで導きました!
彼の一番の特徴といえばプレーメイキング能力で、パスやプレースメイキングにおいてはトップクラスの選手として有名です。
積み重ねたアシスト数は12091回で、歴代アシスト数2位に入るレジェンドです。
歴代通算アシストランキングはこちらで詳しく紹介しています!
そんなキッドが初めて参加したオリンピックが2000年のシドニー五輪です。
この大会のアメリカ代表はこれまでの大会と比べ、非常に下馬評が低いところから始まります。
その理由は、
・NBA優勝経験者やMVP受賞者がメンバーが1人もいない
・主力選手の平均年齢が20代半ばと低い(=経験が少ない)
また、このオリンピック直前のシーズンでNBAチャンピオンとなっていたコービー・ブライアントやシャキール・オニールの代表辞退も、低評価に拍車をかけました。
そんなオリンピックにキッドはキャプテンとして臨み、6.0得点・5.3リバウンド・4.4アシスト、さらに3P成功率は50.0%を記録。
大会前の低評価を覆し、見事金メダル獲得に大きく貢献しました!
低評価の中でも優勝できるなんてすごいね!
そうなんだけど、
アメリカ代表の力が落ちているのは誰の目にも明らかな大会だったんだよ
特に準決勝のリトアニア戦は、85対83の辛勝。
ドリームチーム結成以降、1桁差での勝利はわずか2度目、1ゴール差での勝利はなんと初めてでした。
この試合によって、各国がアメリカ代表を「雲の上の存在ではない」と感じ始め、
次の2004年のアテネ五輪で、アメリカは屈辱の第3位に終わるのです。
ドウェイン・ウェイド
ドウェイン・ウェイドは、2003年のNBAドラフトで全体5位でヒートに入団しました。
「フラッシュ」の愛称で知られ、素早いドライブと高い得点能力が武器の典型的なコンボガード(PGとSGを兼務)です!
ウェイドはヒートで13シーズンを過ごし、チームを3度のNBAチャンピオンに導きました。
個人としても2006年にはNBAファイナルMVPを受賞し、オールスターには13回も選出されました。
そんなウェイドが初めて参加したオリンピックは、2004年のアテネオリンピック。
上述したように、この大会でアメリカ代表は屈辱の第3位に終わり、その悔しさをウェイド自身も味わうことになります。
そのリベンジを果たすために、1992年に匹敵するようなメンバーが揃うのが2008年の北京五輪です。
MVPのコービーや、得点王のレブロンなど豪華メンバーの一角を担ったのがウェイドです。
チームの得点王(平均16.0得点)となる活躍で、特に決勝のスペイン戦では超大事な場面でゴールを決め、チームに勝利を呼び込みました!
なお、この2008年のアメリカ代表は「リディームチーム」と呼ばれ、
Netflixで『リディームチーム~王座奪還への道~』というドキュメンタリーが公開されています!
当時の映像や参加した選手のリアルな声がたくさん聞けます!
興味ある方はぜひ!
アメリカ以外の有名な代表選手
1992年のアメリカ代表ドリームチームの優勝は、世界でのNBA人気を高めました!
これ以降世界中の高みを目指すバスケットボール選手がNBAに集まることになり、結果的にアメリカ以外の国も成長するきっかけとなります。
この項目では、アメリカ以外の国籍でオリンピックで活躍したNBA選手を紹介します!
マヌ・ジノビリ
マヌ・ジノビリはアルゼンチン出身の選手です!
1999年のNBAドラフトでスパーズに全体57位で指名され、2002年にNBA入りしました。
左利きのガードとして、そのユニークなプレースタイルとバスケットボールIQで注目を集め、スパーズを多くのタイトル獲得に導きました!
スパーズに在籍した16シーズンで、4度のNBAチャンピオンに輝き、シックスマン・オブ・ザ・イヤー(2008)にも選出。
ジノビリがつけた背番号20はスパーズの永久欠番になっています!
そんなジノビリがアルゼンチン代表として最も輝いたのが、2004年のアテネオリンピックです。
この大会でジノビリはチームの中心選手として、アルゼンチンを金メダルに導きます!
この大会では、彼の得点能力やプレースメイキングが際立ち、19.3得点、3.3アシストは共にチームトップで、大会MVPにも選ばれました。
特に準決勝でアメリカを破った試合は歴史的勝利で、世界中に衝撃を与えました!
2008年の北京オリンピックでも銅メダルを獲得し、アルゼンチンバスケットボールの象徴とも呼べる選手となっています。
以降のアルゼンチンはメダルからは離れますが、ジノビリはその後も代表チームでのプレーを続け、2016年のリオデジャネイロオリンピックまで出場しました。
アルゼンチンバスケットボール史において、永遠に輝く選手です!
パウ・ガソル
パウ・ガソルは、スペイン出身のバスケットボール選手です!
2001年のNBAドラフトでグリズリーズから全体3位で指名され、NBAキャリアをスタート。
ルーキーイヤーに新人王を獲得し、最初からそのポテンシャルの高さを発揮します。
ゴール付近で驚異的な強さを誇るビッグマンながらスピードもあり、またシュート範囲も広いのが強みです。
その後、グリズリーズで7シーズンプレーし、レイカーズにトレード移籍。
そのレイカーズでは、コービー・ブライアントとのコンビで2度のNBAチャンピオンに輝きました!
そんなガソルは2004年にスペイン代表デビューし、以後、数々の国際大会でチームを牽引しました。
オリンピックでは2008年の北京オリンピック(銀)、2012年のロンドンオリンピック(銀)、そして2016年のリオデジャネイロオリンピック(銅)で、4大会連続でメダルを獲得。
2008年は得点王にも輝くなど、スペインバスケ黄金期の中心となったのがまさにガソルでした!
スペインってバスケというより、サッカーのイメージが強いね
実はバスケもかなり強くて、
最新の世界ランキングではアメリカに次ぐ2位になっているよ!
2024年パリオリンピックに臨むNBAメンバー!
いよいよ今年の夏はパリオリンピック!
今大会も多くのNBA選手が参加する予定です!
アメリカ代表のNBA選手
アメリカ代表は12人全員がNBA選手で、なんと今回のメンバーは史上最強と呼ばれています!
そんな代表メンバー12名と注目選手はこちらの記事で詳しく紹介しています!ぜひご覧ください!
アメリカ以外の代表選手
現時点で出場全12カ国の内3カ国が未決定ですが、既に出場を決めている国で、注目選手を一覧にしました!
出場国 | 選手名 | チーム |
---|---|---|
オーストラリア | パティ・ミルズ | ヒート |
カナダ | シェイ・ギルジャス・アレクサンダー | サンダー |
ジャマール・マレー | ナゲッツ | |
フランス | ルディ・ゴベア | ウルブズ |
ビクター・ウェンバンヤマ | スパーズ | |
ドイツ | デニス・シュルーダー | ネッツ |
日本 | 八村塁 | レイカーズ |
セルビア | ニコラ・ヨキッチ | ナゲッツ |
今シーズン3度目のMVPを受賞し、現在NBA最高のビッグマンであるヨキッチを擁するセルビアや、
MVP候補まで残ったシェイ・ギルジャス・アレクサンダーに加え、ヨキッチのチームメイトのジャマール・マレー擁するカナダなど、アメリカ以外にも注目の国がたくさん!
もちろん八村類擁する日本も大注目です!
すごいメンバーばかりだね!
そうだよね!NBAが国際化しているのがよくわかるね
NBA史上最高のビッグマン!ヨキッチはこちらの記事で詳しく紹介しています!
まとめ
今回はNBA選手のオリンピック出場の歴史を中心に紹介しました!
1992年のアメリカ代表のドリームチームは世界中にNBAのレベルの高さを知らしめました。
その影響でNBAの国際化が進み、いろんな国籍の選手がNBAで活躍するようになりました!
今夏に開かれるパリ五輪のアメリカ代表は本当に史上最強クラスのチームですが、他の国も充実した戦力でアメリカに立ち向かいます!
そんな大注目のパリオリンピックをぜひ楽しみにしておいてください!
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