NBAの契約制度にはさまざまな種類があります。
その中でも「ミニマム契約(=最低保証額の契約)」は、多くの選手にとって重要な選択肢となります!
特に、経験豊富なベテラン選手やチームの補強ピースとして求められる選手がこの契約を結ぶことが多く、NBAのチーム編成において欠かせない要素のひとつです。
今回の記事では、そんなNBAのミニマム契約について詳しく解説します。
基本的な仕組みや金額の決まり方、最新の契約金額、日本円換算での目安などを分かりやすくまとめました。
今回の内容は…
・NBAのミニマム契約とは?
・今シーズンのミニマム契約の金額はいくら?
・実際のミニマム契約の事例

NBAの契約制度をより深く理解するために、ぜひ最後までご覧ください!
NBAミニマム契約とは?基本ルールと金額の仕組み


まずはミニマム契約に関する基本事項を解説します!
NBAミニマム契約の定義と基本ルール
ミニマム契約とは、選手が結べる最低保証額の契約のことを指します。
これは、リーグ全体で統一された基準に基づいており、選手の経験年数に応じて金額が変動します。
例えば、ルーキーとNBA歴10年以上のベテラン選手では、ミニマム契約の金額に大きな差があります。
また、ミニマム契約は、サラリーキャップ(年俸総額の上限)の影響を受けにくいという特徴があります。
実はNBAでは、チームがサラリーキャップを超えてしまっていても、
ミニマム契約の選手とは契約できる「ベテランミニマム特例」(Veteran Minimum Exception)というルールが存在します!
このため、優勝を狙うチームが、経験豊富な選手を低コストで獲得するケースも珍しくありません。
加えて、ミニマム契約には「ギャランティー(=保証)あり」と「ギャランティーなし」の2種類が存在します。
ギャランティーありの契約であれば、選手はシーズン途中で解雇されても契約金額の全額を受け取ることができます。
一方で、なしの場合は、解雇された時点で支払いがストップする可能性があります。
サラリーキャップはNBAで超重要な仕組み!詳しくはこちら↓
2024-2025シーズンのNBAミニマム契約の金額
NBAのミニマム契約の金額は、選手の経験年数に応じて設定されています!
2024-2025シーズンのミニマム契約の金額は以下の通りです。
日本円は、「1ドル=150円」で計算しています。
経験年数 | ミニマム契約金額 | 日本円換算額 |
---|---|---|
0年(ルーキー) | 約116万ドル | 約1億7000万円 |
1年 | 約186万ドル | 約2億8000万円 |
2年 | 約209万ドル | 約3億1000万円 |
3年 | 約216万ドル | 約3億2000万円 |
4年 | 約223万ドル | 約3億3000万円 |
5年 | 約242万ドル | 約3億6000万円 |
6年 | 約261万ドル | 約3億9000万円 |
7年 | 約280万ドル | 約4億2000万円 |
8年 | 約298万ドル | 約4億4700万円 |
9年 | 約300万ドル | 約4億5000万円 |
10年以上 | 約330万ドル | 約4億9500万円 |
このように経験を積むごとにミニマム契約の金額は上昇していくようになっています。
ルーキーのミニマム契約金額は約1億7000万円。
日本のプロ野球選手840人のうち、この金額を超えるのはわずか43人(5%)しかいません!

そんな金額がNBAでの”最低年俸”になるの!?

世界最高峰リーグだからね。
何もかも桁違いなんだよ!
また、10年以上の経験を持つベテラン選手の場合、その契約額は約5億円になります。
NBA選手が非常に高額な年俸を手にすることができる理由が、この数字からもよく分かります。

ベテラン選手はこんなに高額なんだね

NBAがベテラン選手の経験や貢献度を高く評価しているからだよ!
NBAの契約システムにおけるミニマム契約の位置づけ

NBAでは、選手の契約形態が多様に存在し、チームの戦略や選手のキャリアによって異なる契約が結ばれます。
ミニマム契約は、その中でも特に重要な役割を果たしており、サラリーキャップ制度の影響を受けるチームにとって貴重なオプションとなっています!
サラリーキャップ制度とミニマム契約の関係
最初に説明した通り、NBAにはサラリーキャップ制度があります。
そのため、高額な契約を結んでいるチームは、限られた予算の中で選手を補強する必要があります。
ここで登場するのがミニマム契約。
高額契約を多数抱えるチームは、ミニマム契約で選手を補強し、追加の課税(=ラグジュアリータックス)を回避することが多いです!
ラグジュアリータックス(贅沢税)って何?こちらで詳しく解説しています↓
どんな選手がミニマム契約を結ぶのか?
ミニマム契約は、特に以下のような選手が結ぶケースが多いです。
【10年以上の経験を持つベテラン選手】
10年以上の経験を持つベテラン選手には、「ベテランミニマム特例」が適用されます。
契約選手は通常のミニマム契約より高額の年俸を得ることができるが、
なんとその差額はリーグが負担してくれるため、チームのキャップスペースを圧迫しません!
選手としてもキャリア終盤に差し掛かり、優勝を狙う強豪チームに加入するケースが多いです。
【ロールプレーヤー】
スタメン級ではないが、チームの補強要員として貢献できる選手もミニマム契約で加入するパターンが多いです。
例えば、ディフェンス特化や3ポイント特化の選手などです。
【復帰を目指す選手】
怪我などで評価を落とし、再び市場価値を高めたいと思っている元有名選手もミニマム契約で加入するパターンが多いです。

ミニマム契約は単に年俸の低い契約というだけでなく、
チームや選手にとって戦略的な選択肢となるんです!
近年のミニマム契約の事例

近年の契約事例と、その背景を紹介します!
カーメロ・アンソニー(2021年,レイカーズ)

背景:キャリア晩年に入り、優勝を狙うためレイカーズに加入
ポイント:ベテラン選手が優勝候補チームでロールプレイヤーとして貢献する典型例
ブレイク・グリフィン(2022年,セルティックス)

背景:ネッツ退団後、優勝争いをするセルティックスに加入
ポイント:ベテラン選手がプレーオフチームで戦力補強のために契約
デマーカス・カズンズ(2022年,ナゲッツ)

背景:怪我からの復帰を目指し、ナゲッツでNBA復帰を果たす
ポイント:怪我やコンディション不安のある選手がキャリア再建のために契約
NBAミニマム契約と他の契約の違い

NBAにはミニマム契約以外にもさまざまな契約形態が存在します!
ミニマム契約とその他の代表的な契約(ルーキー契約、マックス契約、2ウェイ契約)との違いを詳しく見ていきましょう。
ルーキー契約との違い
ルーキー契約とは、NBAドラフトで指名された選手が結ぶ契約のことで、基本的に4年間の契約となります(2年目・3年目はチームオプション)。
ミニマム契約とルーキー契約の主な違いは以下の通りです。
項目 | ルーキー契約 | ミニマム契約 |
---|---|---|
契約対象 | NBAドラフト指名選手 | どの選手でも可能 |
契約期間 | 2+2年(チームオプション) | 1年~ |
年俸 | 経験年数・指名順位により変動 | 経験年数ごとに固定 |
ルーキー契約では、ドラフト順位が高いほど高額な契約を結ぶことができます!
一方、ミニマム契約は経験年数に応じて固定されるため、ドラフト順位は関係ありません。
ドラフト1位選手の年俸は15億円超!?ルーキーの年俸一覧はこちら↓
マックス契約との違い
マックス契約(最大契約)は、特定のスター選手が結ぶことができる高額契約のことを指します。
ミニマム契約との違いを比較すると以下のようになります!
項目 | マックス契約 | ミニマム契約 |
---|---|---|
契約対象 | スター選手 | どの選手でも可能 |
契約期間 | 4~5年 | 1年~ |
年俸 | サラリーキャップの25~35% | 経験年数ごとに固定 |
マックス契約はチームのサラリーキャップの一定割合(最大35%)までを占めるため、1シーズンあたり4000万ドル以上の契約を結ぶ選手もいます。

NBAで最も高額な報酬が得られる契約です!
最高年俸は80億円超え!詳しくはこちら↓
2ウェイ契約との違い
2ウェイ契約とは、NBAとGリーグ(下部リーグ)を行き来できる特別な契約のことです。
ミニマム契約との主な違いは以下の通りです!
項目 | 2ウェイ契約 | ミニマム契約 |
---|---|---|
契約対象 | 若手選手が中心 | どの選手でも可能 |
契約期間 | 1~2年 | 1年~ |
年俸 | 約50万ドル前後 | 経験年数ごとに変動 |
NBA出場可能試合数 | 最大50試合 | 制限なし |
2ウェイ契約の選手は、基本的にはGリーグでプレーしながら、最大50試合までNBAの試合に出場可能です。
一方、ミニマム契約の選手には試合数の制限がなく、NBAロスターに正式登録されます。
河村勇輝も結んでいる2ウェイ契約の詳細はこちら↓
まとめ
NBAのミニマム契約は、選手の経験年数に応じた最低年俸であり、サラリーキャップの影響を受けるチームにとって重要な補強手段となっています!
特に、ベテラン選手の獲得やロールプレイヤーの確保に活用され、ラグジュアリータックスを回避しながら戦力を維持する役割を果たします。
また、ミニマム契約の金額は毎年更新され、2024-2025シーズンも最新の金額が適用されます。
NBAをより深く理解するためには、マックス契約やルーキー契約との違いを知ることも重要です。
ミニマム契約を活用したチーム戦略や選手のキャリア選択について、今後も注目してみてください!
コメント