アメリカのプロバスケットボールリーグNBAのプレーのレベルは世界最高峰。
それと同じく世界最高峰なのが、選手たちの年俸です。
各チームの年俸合計(=チームサラリー)はなんと平均200億円を超えます!
ちなみにチームの所属人数は大体14〜15人です。
しかし、チームサラリーには2つの制限がかけられています。
1つ目が、サラリーキャップです。
この制度については、別の記事で紹介していますので、そちらをご覧ください。
2つ目が贅沢税(=ラグジュアリータックス)という制度です。
今回はこの贅沢税について解説!
また、サラリーキャップを越えるチームのランキングも掲載しています!
今回の記事内容☟
・NBAの贅沢税の仕組み
・NBAの贅沢税の計算方法
・サラリーキャップを超えるチームの贅沢税支払額ランキング
・実際に贅沢税をどれくらい支払っているのか
NBAの贅沢税(ラグジュアリータックス)の仕組みとは?
贅沢税(ラグジュアリータックス)とは
チームの年俸総額がサラリーキャップを超えて、一定の基準(=タックスレベル)に達すると課徴金が適用されるという制度です。
簡単にいうと、「この金額を超えたら、罰金をNBAに支払いなさい!」っていうルールだよ
なるほど!そういうことか!
今シーズン(2023-2024)のタックスレベル
1億6529万4000ドル(約238億円)に設定されています!
この金額はサラリーキャップ同様、NBA全体の収益に基づいて決定されます。
近年の推移です。
2022-23:1億5026万7000ドル
2021-22:1億3660万6000ドル
2020-21:1億3262万7000ドル
近年上昇している理由は、NBAの世界的人気の高まりによる収益増加です。
それに伴い、サラリーキャップもタックスレベルも上昇しています。
NBAの贅沢税(ラグジュアリータックス)の計算方法
贅沢税の支払い額は、段階的に税額が増えるようになっています。
以下の表をご覧ください!
区分 | 超過額 | $1あたりの税金 | 最大税額 |
A | $4,999,999以下 | $1.5 | $750万 |
B | $500万〜$9,999,999 | $1.75 | $875万 |
C | $1000万〜$14,999,999 | $2.5 | $1250万 |
D | $1500万〜$19,999,999 | $3.25 | $1625万 |
E | $2000万以上 | $3.75※ | ― |
※さらに$500万超過ごとに$0.5増加(超過額$2500万の場合は$4.25)
贅沢税を実際に計算してみます!
興味ある人は見てね♪
⑴超過額が0万の場合(区分A)
$300万×$1.5=$450万(約6億5000万円)
⑵超過額が0万の場合(区分B)
まずこれより低い区分がある場合は、その区分の最大税額が加算されます。
この超過額の場合、区分Aの$750万が加算されます。
次に区分Bの計算です。
$200万分が区分Bとなりますので、$200万×$1.75=$350万
$750万(A)+$350万(B)=$1100万(約16億円)
⑶超過額が00の場合
区分がEとなりますので、それまでの最大額を足していきます。
$750万+$875万+$1250万+$1625万=$4500万
次に区分Eの計算です。
$2500万までは$3.75なので、$500万×$3.75=$1875万
残りの$200万ドルは$4.25なので、$200万×$4.25=$850万
全て足します。
$4500万+$1875万+$850万=$7225万(約104億円)
贅沢税は繰り返し超過すると増税!
贅沢税を払い続けているチームは、税金がさらに上がる仕組みもとられています。
具体的にいうと直近4シーズンの内、3シーズンでタックスレベルを超え、
さらに今シーズンもタックスレベルを超えてしまうと税率が上がります。
英語では「Repeat Offenders」と呼ばれ、
直訳すると、「繰り返しルールに反する奴ら」という感じです!
以下のようになります。
区分 | 超過額 | $1あたりの税金 | 最大税額 |
A | $4,999,999以下 | $2.5 | $1250万 |
B | $500万〜$9,999,999 | $2.75 | $1375万 |
C | $1000万〜$14,999,999 | $3.5 | $1750万 |
D | $1500万〜$19,999,999 | $4.25 | $2125万 |
E | $2000万以上 | $4.75※ | ― |
※さらに$500万超過ごとに$0.5増加(超過額$2500万の場合は$4.25)
支払われた贅沢税はどうなるのか
NBAに支払われた贅沢税は、贅沢税を支払ってないチームで平等に分配されます。
贅沢税が20億円集まって、贅沢税を払ってないチームが5チームあれば、
その5チームに4億円ずつあげちゃうというわけです。
つまりラグジュアリータックスは、
サラリーの抑制だけでなく、
貧しいチームへの資金供給も目的になっているってこと?
その通り!
貧しいチームに資金が供給されれば、良い補強が可能になる。
だからNBA全体でより競争が激しくなるっていうのを狙っているんだよ!
サラリーキャップを超えるチームの贅沢税支払額ランキング
ここでは、サラリーキャップを越えるチームの贅沢税を支払額でのランキングを見ていきます!
贅沢税支払額ランキングTOP5
サラリーキャップを超えるチームのうち、
タックスレベルも超えるチームは今シーズンは10チームです。
上位5チームのランキングと贅沢税の金額です。
1位:ゴールデンステイト・ウォリアーズ(1億8628万ドル)
2位:ロサンゼルス・クリッパーズ(1億4234万ドル)
3位:フェニックス・サンズ(5069万ドル)
4位:ミルウォーキー・バックス(5773万ドル)
5位:ボストン・セルティックス(3910万ドル)
え、この金額って、選手への給料とは別に払う金額ってこと?
そうなんだよ。ものすごい金額だよね
ウォリアーズが支払うとんでない贅沢税
1位のウォリアーズはスター選手を多く抱える強豪チームです。
カリー、トンプソン、グリーンなど、どの選手も高額年俸です。
それ故、チームサラリーは2億2640万ドルにも達し、
サラリーキャップはもちろん、タックスレベルも余裕で超えてしまっています。
選手への給料だけで年間約300億円超を支払う上、さらに贅沢税として約270億円を支払うわけです。
この状況については、いろんな議論があります。
ウォリアーズは、主力選手が生え抜き選手ばかりで、
自分達が手塩にかけて育てた選手を他チームに獲られないようにするため、各選手の年俸が上昇し続けてきました。
こういったチームはNBA史上非常に珍しく、現在のウォリアーズのような状況はNBAでは初めて出くわす状況になっています。
本来、サラリーキャップやラグジュアリータックスは、
他チームの優秀な選手を高額年俸で奪い、
自チームを“資金力”で強化するようなチームを出現させないというのが目的の一つとしてありました。
しかし、現在のウォリアーズの状況は、それとは異なる状況なので、いろんな議論が起こるわけです。
正直、ウォリアーズがしていることが、ここまでの税を課されるほどのことなのかとも思っちゃうね
そうだね。強いチームだけに、これには本当にいろんな意見があると思うよ。
全チームのサラリーキャップをランキングにしています⇩
まとめ
今回は贅沢税(ラグジュアリータックス)について解説しました!
この制度は、サラリーキャップと同じく、NBAのお金に関する根幹の部分になっています。
タックスレベルを超えたチームは、その額に応じて段階的に税が課され、
徴収されたその税は、税を払っていないチームに均等に分配されます。
これによって、サラリーキャップ同様、勢力の均衡化を目指しているというわけです!
「このチームは弱いけど、すごい額の贅沢税を払っている」
「このチームは強いけど、全く贅沢税を払っていない」
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