アメリカのプロバスケットボールリーグNBAのプレーのレベルは世界最高峰。
それと同じく世界最高峰なのが、選手たちの年俸です。
各チームの年俸合計(=チームサラリー)はなんと平均200億円を超えます!
ちなみにチームの所属人数は大体14〜15人なので、単純計算だと1人15億円くらいをもらっていることになります…。
しかし、そんなチームサラリーには2つの制限がかけられています。
1つ目が、サラリーキャップです。
この制度については、こちらの記事で詳しく解説しています!ぜひご覧ください↓
2つ目が贅沢税(=ラグジュアリータックス)という制度。
今回はこの贅沢税とその仕組みについて解説します!
この記事の内容は以下の通りです!ぜひご覧ください!
・NBAの贅沢税の仕組みとは?
・NBAの贅沢税の計算方法
・サラリーキャップを超えるチームの贅沢税支払額ランキング
NBAの贅沢税(ラグジュアリータックス)の仕組みとは?
早速、贅沢税について解説します!
贅沢税(ラグジュアリータックス)とは
チームの年俸総額がサラリーキャップを超えて、一定の基準(=タックスレベル)に達すると課徴金が適用されるという制度です。
簡単にいうと、「この額を超えたら、罰金をNBAに支払いなさい!」っていうルールだよ
なるほど!そういうことか!
今シーズン(2024-2025)のタックスレベル
1億7081万4000ドル(約260億円)に設定されています!
この金額はサラリーキャップ同様、NBA全体の収益に基づいて決定されます。
以下は、近年の推移です。
2023-24:1億6529万4000ドル
2022-23:1億5026万7000ドル
2021-22:1億3660万6000ドル
近年上昇している理由は、NBAの世界的人気の高まりによる収益増加です!
それに伴い、サラリーキャップもタックスレベルも上昇しています。
NBAの贅沢税(ラグジュアリータックス)の計算方法
贅沢税の支払い額は、段階的に税額が増えるようになっています。
以下の表をご覧ください!
区分 | 超過額 | $1あたりの税金 | 最大税額 |
---|---|---|---|
A | $4,999,999以下 | $1.5 | $750万 |
B | $500万〜$9,999,999 | $1.75 | $875万 |
C | $1000万〜$14,999,999 | $2.5 | $1250万 |
D | $1500万〜$19,999,999 | $3.25 | $1625万 |
E | $2000万以上 | $3.75※ | ― |
※さらに$500万超過ごとに$0.5増加(超過額$2500万の場合は$4.25)
贅沢税を実際に計算してみます!
興味ある人は見てね♪
超過額が$300万の場合(区分A)
$300万×$1.5=$450万(約6億5000万円)
超過額が$700万の場合(区分B)
まずこれより低い区分がある場合は、その区分の最大税額が加算されます。
この超過額の場合、区分Aの$750万が加算されます。
次に区分Bの計算です。
$200万分が区分Bとなりますので、$200万×$1.75=$350万
合計すると…
$750万(A)+$350万(B)=$1100万(約16億円)
超過額が$2700の場合
区分がEとなりますので、それまでの最大額を足していきます。
$750万+$875万+$1250万+$1625万=$4500万
次に区分Eの計算です。
$2500万までは$3.75なので、$500万×$3.75=$1875万
残りの$200万ドルは$4.25なので、$200万×$4.25=$850万
合計すると…
$4500万+$1875万+$850万=$7225万(約104億円)
贅沢税は繰り返し超過すると増税!
贅沢税を払い続けているチームは、税金がさらに上がる仕組みもとられています。
具体的にいうと、
直近4シーズンの内、3シーズンでタックスレベルを超え、
さらに今シーズンもタックスレベルを超えてしまうと税率が上がります。
英語では「Repeat Offenders」と呼ばれ、
直訳すると、「繰り返しルールに反する奴ら」という感じです!
この場合の金額は以下のようになります。
区分 | 超過額 | $1あたりの税金 | 最大税額 |
---|---|---|---|
A | $4,999,999以下 | $2.5 | $1250万 |
B | $500万〜$9,999,999 | $2.75 | $1375万 |
C | $1000万〜$14,999,999 | $3.5 | $1750万 |
D | $1500万〜$19,999,999 | $4.25 | $2125万 |
E | $2000万以上 | $4.75※ | ― |
※さらに$500万超過ごとに$0.5増加(超過額$2500万の場合は$5.25)
支払われた贅沢税はどうなるのか
NBAに支払われた贅沢税は、贅沢税を支払ってないチームで平等に分配されます。
贅沢税が20億円集まって、贅沢税を払ってないチームが5チームあれば、
その5チームに4億円ずつあげちゃうというわけです。
つまりラグジュアリータックスは、
貧しいチームへの資金供給も目的になっているってこと?
その通り!
貧しいチームに資金が供給されれば、良い補強が可能になるね
それで弱いチームも強くなって競争が激しくなるね!
そうやってリーグ全体が盛り上がるようになっているんだよ!
サラリーキャップを超えるチームの贅沢税支払額ランキング
贅沢税を払っているチームの支払額ランキングを紹介します!
贅沢税支払額ランキングTOP10
サラリーキャップを超えるチームのうち、
タックスレベルも超えるチームは今シーズンは15チーム(昨年は10チーム)です。
上位10チームのランキングと贅沢税の金額です。
順位 | チーム名 | 贅沢税の支払額 |
---|---|---|
1位 | フェニックス・サンズ | 1億8848万ドル |
2位 | ミネソタ・ティンバーウルブズ | 9596万ドル |
3位 | ミルウォーキー・バックス | 7483万ドル |
4位 | ボストン・セルティックス | 6559万ドル |
5位 | ロサンゼルス・レイカーズ | 5322万ドル |
6位 | ニューヨーク・ニックス | 3632万ドル |
7位 | マイアミ・ヒート | 2696万ドル |
8位 | デンバー・ナゲッツ | 2035万ドル |
9位 | フィラデルフィア・76ers | 1649万ドル |
10位 | ゴールデンステイト・ウォリアーズ | 1461万ドル |
え、この金額って、選手への給料とは別に払う金額ってこと?
そうなんだよ。ものすごい金額だよね
サンズが支払うとんでない贅沢税
1位のサンズはスター選手を多く抱えるチームです。
ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールなど、どの選手も高額年俸です。
それ故、チームサラリーは2億2000万ドルにも達し、
サラリーキャップはもちろん、タックスレベルも余裕で超えてしまっています。
選手への給料だけで年間約330億円超を支払う上、さらに贅沢税として約280億円を支払うわけです。
サンズ内での年俸1位はケビン・デュラント、2位はブラッドリー・ビールで、2人ともサンズの生え抜き選手ではなく、いずれも高額年俸を条件にFAで獲得してきた選手です。
なので、サンズがこの額を支払うのは当然なのですが、
残念ながらこの2人を獲得してからは優勝どころか、カンファレンス決勝にすら進めない成績が続いています。
正直めちゃくちゃコスパが悪い気が…
ここまで払って一度も優勝できないチームは見たことがないよ
こちらの記事で全チームのサラリーキャップをランキングにしています↓
まとめ
今回は贅沢税(ラグジュアリータックス)について解説しました!
この制度は、サラリーキャップと同じく、NBAのお金に関する根幹の部分になっています。
タックスレベルを超えたチームは、その額に応じて段階的に税が課され、
徴収されたその税は、税を払っていないチームに均等に分配されます。
これによって、サラリーキャップ同様、勢力の均衡化を目指しているというわけです!
「このチームは弱いけど、すごい額の贅沢税を払っている」
「このチームは強いけど、全く贅沢税を払っていない」
プレーだけでなく、裏側を知って観るNBAもまた面白いです!
NBAの試合を観てみたいという人はこちら!
NBAの試合のフル視聴は、WOWOWか楽天がオススメ!
シーズン中の生中継はもちろん、オフシーズンの間も過去の名試合などがたくさん観れます!
でも、「どっちと契約したらいいか分からない」
そんなあなたに、それぞれの料金やメリットを詳しく比較した記事がこちらです↓
コメント